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統一教の分裂

統一教会に一体何が起こっているのか? 著者は、統一教会分裂の現象を長年に亘って観察し、歴史的研究方法によって研究してきた。この本は、膨大な統一教会の一次資料に基づき、統一教会分裂の原因から過程、結果を詳細に記述し、統一教会の未来を見ている。

7章2)罠にかかった文顯進

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7章2)罠にかかった文顯進

2)罠にかかった文顯進

 

束草事件を通して文顯進の公的役職を剥奪しようとした試みは、それなりの成果を収めた。とにかく文顯進追放に創教者の許可を取り、これを口実に全ての統一教会人に創教者の命令に服従しないというイメージを文顯進に被せることに成功した。このような中、創教者が支持したGPF活動に集中していた文顯進は、2010530日にブラジルを訪問し、ペレイラ・ビショップと会い南米GPF活動の支援を得るなど、活発な活動をしていた。ところが、文顯進が反文顯進勢力に決定的な口実を与えた事件が、530日、ブラジル教会で発生した。

 

文顯進がブラジル教会を訪問した際、責任者である申東謀が韓国本部の指示により文顯進が教会の壇上に立てないように物理的力を行使した。彼は壇上で説教をしながら継続して時間を稼ぎ、文顯進を待たせて、後では聖殿に倒れて横たわったまま文顯進を妨害し、他の統一教会人たちに引き摺り下ろされた。束草事件で創教者が文顯進の公的役職を停止させることに言及し、既に統一教会の全組織は文顯進を極度に非難する状況であった。それも、上部から文顯進を阻止しろという指示まで受けていたので、申東謀は侮辱的な行動をためらうことなく行うことができたのである。

 

しかし、統一教会の情緒上、申東謀の行為は容易ではないことであった。おそらく文顯進は、彼から人間的な背信感と「真の子女」として怒りを同時に感じたことだろう。翌日、早朝訓読会で文顯進は申東謀とペラボリ協会長の非常識な行動を激しく責める過程において、彼の頭を小突き、座っている申東謀の足を蹴るような行動を見せた。彼らは事前に準備させておいた人を通して、このシーンを撮影し、後に6分間のビデオに編集して創教者に報告、インターネットにも上げた[1]。全世界の統一教会人に文顯進を暴力的な人物として悪宣伝するためであった[2]

 

非統一教会人の観点からすると、文顯進の行為は非道徳的であり、暴力的であり、合理化しにくいのは事実である。しかし、統一教会の信仰は、文顯進と申東謀の関係を非日常的関係として規定している。創教者の直系家庭である「真の家庭」は、絶対者神様の血統が復帰された最初の家庭であり、真の子女は堕落とは無関係な血統を所有している存在であるため、統一教会人にとって真の子女は尊敬の対象であり、保護しなければならない対象であり、本家の兄のような存在であった[3]。このような認識から、意図的かつ計画的に見える申東謀の行為を、文顯進は決して理解できなかったものと見られる。

 

S氏やK氏など統一教会最高幹部が送受信したメールの内容を通して[4]、この事件の本質がより組織的に文顯進の仕事を妨害し、あちらこちらに罠を仕掛け、彼に否定的なイメージを被せ、統一教会の現場から文顯進を排除しようとしたものであったことが分かる。反文顯進勢力は結局、初期の目的を収めた。この事件の真実とは無関係に、創教者は文顯進をさらに不信し、創教者に報告された文顯進関連の否定的報告を徐々に事実として認めたからである。文顯進のブラジル事件は、創教者の心を完全に引き離す口実を提供したものと見られる。さらに、彼らは文顯進を宗教的に完全に埋葬するための強力な証拠を創教者に要求した[5]

 


 

[1] https://youtu.be/ltc3y0oomd8

 

[2] 世家宣2010-18,2010.6.2.「全世界教会及び公的集会での説教(講演)権限に関する真の父母様の特別指示の件」「これにより、真の父母様はこのような暴力は絶対に容認できないとされ、今後、顯進様は真の父母様の裁可を受けずには絶対に公式的な集会や教会で講演や説教をしてはならないという強力な特別指示を再度されました。したがって、各大陸と宣教局では、このような状況が絶対に再発しないように、公職者たちと食口を徹底的に指導して下さい」

 

[3] 「私はまだ天の前に神聖な責任感を持っています。たとえ命を懸けなければならない事があったとしても、それを果たしたいと思います。人は私がブラジルで2時間語った内容をわずか6分間のビデオにして、私を暴力的な指導者であると罵倒し、お父様に行く道を遮断するかもしれませんが、彼らは私の心と志を曲げることはできないでしょう。私はネパールに行く途中、バンコクで偶然に、過去、CARPUPF活動を共にしたタイのドクター・レックと同じ飛行機に乗りました。妻は私の手を掴んで引っ張りましたが、私は彼を見過ごすことができませんでした。知らないふりをして機内に入ることもできましたが、私はそうしませんでした。彼に悟ることのできないことがあれば、どんなに短い一瞬であったとしても知らせたかったのです。ブラジルにおいて、私が申*謀会長に本当に個人的な恨みがあったり、殴ろうとする気持ちがあったとすれば、あの程度では終わらなかったでしょう。私は過去、武道の訓練も積み、まだ数十キロのリュックサックを背負って険しい山を登り下りする人です。私が申会長を無視せずに彼を呼んで手厳しい指導をしたのは、彼が摂理的責任者だったからです。彼を他人のように見ず、兄弟として見たからです。間違った弟を兄が父親の代わりに指導するように、そのようにしたのです。彼らは今は、あのようにしていますが、私は彼らのために祈っています」2010.10.1.ネパール,世界村平和指導者会議(GPLC)当日、午前の訓読会、文顯進の言及;真の家庭が真の父母と共に統一教会人の崇拝の対象とされた時もあった。例えば、真の家庭の前で宗教的儀式の「敬拝」をしたり、祈祷する行為を統一教会の儀式として行った時があった。

 

[4] 2011.6.5. http://cafe.daum.net/W-CARPKorea/jUUL/263.に上がった匿名のこの記事は、SKなど、当時の反文顯進勢力がどのような計画で文顯進を窮地に追い込んだのかを暴露している。記事の内容と状況、提案された内容を考慮すると、かなり信憑性が高い材料であると評価することができる。

 

[5] この公文(世家宣2010-18)は結論として、「このため、真の父母様はこのような暴力は絶対に容認できない、今後、顯*様は真の父母様の裁可を受けずには絶対に公式集会や教会において講演や説教をしてはならないという強力な特別指示を再度されました」と記している。しかし、この程度の内容に不満足な申**は、無謀にも真の父母様を受信者として「最高の強力な武器緊急支援」というタイトルで、「『全ての宣教国家は、世界宣教本部の公文と指示に従いなさい - 真の父母のサイン、印、動画ファイル』のような公文を『弾丸のように』緊急発送してほしいという公文をPK氏らに送った。そして、PKらの事前謀議と申**の緊急要請が合作した人為的な『異端者•爆破者宣言文』が3日で作成され、動画も制作された。63日の夜、****は、これまでの全ての資料とブラジル事件の動画をインターネットに上げるように指示した。64日、**は麗水に行く予定であったが、午後に創教者が天正宮に来たため、本部は忙しく動いた。事前に編集された16分のブラジル事件のビデオを**会長の殴打シーンと「お父様に従うのか、私に従うのか」というニュアンスが浮き彫りになるように6分に再編集した。午後には、天福宮教会と本部職員会議及び教育を通して「関連資料公開、**会長の批判映像撮影、石俊淏会長教区巡回批判講演」などを決定した。K氏の証言.

 




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プロフィール

HN:
JUN
性別:
女性
自己紹介:
「統一教の分裂」を読んで衝撃を受けた6500双の在韓日本婦人です。一人でも多くの日本人に読んで欲しいと思い、翻訳してブログに発表していくことにしました。

「統一教の分裂」目次

序文
1.特異な現象/1
2.統一教のアイデンティティ形成/5
  1)血統復帰の神話/7
  2)教理の形成:原理原本/11
  3)組織、教理、儀礼の体系化/14
  4)血統復帰儀礼の原型:創教者の聖婚式、子羊の宴/20
  5)血統復帰儀礼の拡張:統一教会信者の祝福結婚式/24
  6)祝福結婚式の過程と構造/28
  7)統一教会信者の生活と性的アイデンティティ/32
3.アイデンティティの大衆化/37
  1)血統復帰の拡張/37
  2)血統復帰儀礼の日常化:衆生式、復活式、永生式を通じた血統復帰/38
4.宗教を超えたアイデンティティ/43
  1)世界平和統一家庭連合の登場/43
  2)信念体系の確定:<8代教材教本と究極の真理/49
  3)創教者の使命完遂と人類解放日の宣布:基元節宣布/51
5. 創教者のカリスマ伝授の試みと反発/57
  1)文顕進の登場:カリスマ伝授の初の試み/58
  2)1世代の反発:世界基督教統一神霊協会の分裂開始/68
  3)文国進の登場と分裂の可視化/84
  4)文亨進の登場とアイデンティティの歪曲/97
6.カリスマ伝授の失敗:文顕進の追放過程/107
7.統一教の極限分裂とカリスマの没落/155
  1)分裂の内幕:2009年4月~2010年6月/156
  2)罠にかかった文顕進/165
  3)創教者の宣言文とカリスマの没落/167
  4)分裂の内幕:2010.6月~2012.8月/179
8.統一教の創教者が他界する/205
9.韓鶴子の変心/217
  1)教理の変更/217
   ①『天聖経』変更/219
   ②<家庭盟誓>変更/222
   ③『文鮮明先生御言葉集』内容削除した後、再配布/225
   2)文国進と文亨進の追放/230
10.韓鶴子の神格化の試み:神様の婦人から独生女へ/239
  1)韓鶴子の不順従/245
  2)神格化の最初の作業:神様婦人論/252
  3)神格化の二番目の作業:独生女論/262
  4)独生女論の教理化:『真の父母経』/274
  5)韓鶴子の現状分析(2012.9~現在)/277
   ①韓鶴子の自意識の変化/278
   ②韓鶴子のカリスマ/282
   ③韓鶴子の関心/283
  6)韓鶴子の現状の小結論/286
11.文亨進の最近の現状/291
  1)文亨進の説教/292
  2)文亨進の自意識/296
  3)創教者 崇拝/301
  4)韓鶴子への公開非難/303
12.文顕進の最近の現状/311
結び/317
参考文献/325
エピローグ/341