統一教会に一体何が起こっているのか? 著者は、統一教会分裂の現象を長年に亘って観察し、歴史的研究方法によって研究してきた。この本は、膨大な統一教会の一次資料に基づき、統一教会分裂の原因から過程、結果を詳細に記述し、統一教会の未来を見ている。
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7章1)分裂の内幕(2009年4月〜2010年6月)-2
2009.11.8.米国本部教会で文仁進は「果樹園の物語」を例にあげ、文顯進を「神様と食口から盗みを働いた指導者」として、比喩をもって弟を非難する説教をして波紋を起こした。文仁進は弟・文國進と文亨進が兄と対立していることを、「全てのものを失う覚悟」で神様の所有を守り兄を守るための「正しいこと」であり兄に「刺激を与えること」と正当化した。
2009.11.9.Jの代理人を通して、WTA(Washington Times Aviation)の公的資金2100万ドルを宣教会財団に送金[1]
2009.11.14.2100万ドル訴訟のための債券仮差押え申請(ソウル西部地方裁判所 2009カ合2376)
2009.11.18.文亨進がUPF世界会長に就任(文亨進の名前でUPF世界会長人事移動の公文発表)
文亨進の就任の辞は、創教者を宗教的崇拝の対象としての再臨主、救世主、メシヤを証す内容で満ちていた。超宗教・超国家的摂理のために多くの平和大使を教育してきた創教者の志が文亨進の就任の辞で混乱を招いた[2]。統一教会の宗派性に閉じ込められた文亨進のアイデンティティが再び現れた就任の辞であった。
…最近、お父様は統一教の名称を用いて活動するようにと語られました。歴史上、蘇生期の世界基督教統一神霊協会の時代、長生期の世界平和統一家庭連合時代を超えて、完成期の天一国を定着させることのできる統一教時代に入ったのです。全ての宗教を真の父母様に侍り、一つの家庭にすることのできる使命を下さったのです。お父様は私たちに何を語っておられますか。UPFで働く方々を含め、私たちは全員、統一教会人として真の父母様をメシヤとして侍り、真の父母様から祝福され、二世を産みました。これは私たちが生きてきた歩みでした。
…そのため、お父様は「新しい時代に統一教の名称を大きくしなさい。原理本体教育を皆、受けなければならない」とされたのです。…お父様は、究極的にどんなみ言葉を語ろうとされているのでしょうか。私が誰なのかを忘れないようにと語られたのです。「私はただの愛国者や世界平和を追求する指導者ではなく、神様の子として全人類を救うメシヤ、救世主、真の父母として、イエスが果たせなかった使命を完成なさる方である」、このように語られたのです。
…皆さん、今はエデンの園ではありません。そのため、統一教も必要で、UPFも必要で、鮮文大学校も必要です。しかし覚えておくべきことは、このような全ての内容は信仰に根を下しているということです。真の父母様を再臨のキリストとして侍る方が、このような世界的な仕事をしています。…[3]
2009.11.19.創教者が文亨進のUPF就任を否定する。
2009.11.20.文顯進は1年前から準備してきたフィリピンGPCを2009年12月に予定通り推進しようとすると、統一教会は公式的に創教者の名前を借りてGPCに反対し、アジア大陸会長であるヨン**と宣教師たちを前に立てて、文顯進のGPCを潰そうとした。これによる衝突と統一運動のイメージ失墜を心配した文顯進は、創教者に切実な要請をする書信を発送した。創教者に対する孝心と「み旨」のための文顯進の決意、統一教会分裂に対する文顯進の認識が余すところなく現れている。しかし、この内容は創教者に伝達されなかったようで、彼の意見は無視された。
…そして、40年という私の人生において、ひたすらお父様とお父様の摂理的使命をお支えするために生きてきたこの息子の忠誠をもう一度深く、察して下さいますようにお願いします。お父様、…国を探し、父母国連を建設し、お父様の切実な願いを成して差し上げるように、狂ったようにもがいてきましたが、今では対内のどこにも私の立つ場所がなくなりました。さらにお父様の周辺の人々は、この息子をお父様と敵対する者として追い込んでいます。
…2013年までお父様が願われた摂理目標を完遂するためにはこの3年の節目を越えなければならず、同時に、摂理の方向を合わせて、必ず跳躍の足場を作らなければならなりませんでした。ところが、教会や新しい宗教、神学的な理論だけで、どうして天のみ旨を成すことができるでしょうか。このみ旨を成すことのできる唯一の道は結局、お父様が統一されたキリスト教基盤を踏み台として、「One Family Under God」のみ旨を広げようとされた本来の使命と摂理に戻らなければなりません。
…私は2008年のGPFの基盤を、UPFと平和大使たちを前に立て、2010年には全世界に一層拡散させていくため、2009年に重要ないくつかの場所でGPFを計画し、これまでに連結された全ての基盤をグローバル・ピース・コンベンション(GPC)に集め、2010年を出発しようとしました。特にGPCをミンダナオの平和定着プロジェクト(ミンピ; MINPI)を中心にフィリピンで開催することを2008年、フィリピンGPFを通して宣言しました。
…お父様、弟と姉が天福宮と統一教会を立てて神様の摂理に対する観点を糊塗し、お父様の生涯の業績に反抗しようとしていますが、私は状況がこうだからといって、ここで決してあきらめて退くことはできません。彼らはお母様の支持を得て、私が個人的な名誉に対する執着と弟に対する小児病的な嫉妬心のゆえにそうしていると追い込んでいます。お父様が私の性格をご存知であれば、これがどれほど根拠のない呆れた描写であるかが分かると思います。もしそのように話す人がいれば、それは過去40年間、お父様が私を苦労して育てた献身と犠牲の全てを無駄にするものであり、根本的に神様の苦労を侮辱することです。私が今、どんなに崖っぷちに追い詰められていても絶対に屈しない理由は、まさに神様のみ旨にお父様が生命をかけて来られ、私もまた、お父様の息子として連結され、同じく生命をかけているからです。み旨はお父様にとっても私にとっても生命以上のものだからです。神様のみ旨を成就するための摂理の方向こそ、今、私たちにとって最も重要なイシューとならなければなりません。
…12月10日から14日まで、フィリピンのマニラで開催されるGPCは、中断されたり延期されることはありません。この行事はフィリピンの公信力ある国家機関と指導者によって準備されています。…2008年GPF成功の主役たちと国際的な最高の人士らが参加を準備しています。このような状況でお父様が誰かを送って、GPCをキャンセルしようとされるならば、お父様と私たち家庭、そして私たちの運動全体に対して、今よりさらに良くないイメージが世の中に現れることを考慮して下されば幸いです。
…産んで下さったお母様を愛さない子がどこにいるでしょうか。私は永遠にお父様の息子であるようにお母様の息子でもあります。兄弟もまた同様です。しかし、お父様が透明かつ公正に中心を掴んで導いて来られた神様の摂理を原理的でない方法に左右しようとすることには到底、従うことができません。特に、誤った報告を基に私をさらに罵倒するならば、これ以上、沈黙することはできません。…[4]
この手紙は創教者の志をもって創教者の志に反対する統一教会の呆れた状況と創教者の志を守るために行くべき道を行くという文顯進の意志が現れている。
2009.11.30.UCIの弁護士Zuckerman Spaederが、訴訟資料保護通知書を朱*文と金孝律に送り、創教者夫婦と子女たちが発信したり受信する全ての書信を保管することを要求。
2009.12月.アジア地域のアマルラがアジア地域を中心にGPC反対巡回集会を主管。
2009.12.2.統一教会公文で青年連合世界会長を文顯進から文亨進に交代と通知。
2009.12.4-5.統一教会韓国協会で金*テ、JY、オ**,JWが特別講義で文顯進を批判する。
2009.12.8.ソウル西部地裁が仮差押え通知書の発行により、宣教会財団の銀行口座を凍結した。これに対し統一教会は、文顯進が母親・韓鶴子を告訴した破倫児として宣伝。
2009.12.8.UCI所属弁護士でありながら内部資料をJに渡そうとして解雇されたリチャード・スタ*ブロンがワシントンDC高裁でUCIを相手に民事訴訟を提起、「文顯進と彼の同僚及び部下らがワシントン・タイムズとWTA理事会の変動において違反行為をし、UCIを経営しながら受託義務を不履行した」と主張。
2009.12.10.文顯進はフィリピンを訪問してGPCを強行する。
2010.1月.ジョシュア・カーター米国副協会長が米国巡回において、フィリップス金(Pの妻)がニュージャージーで文顯進を強く批判。
2010.1.10.アジアY大陸会長と副責任者ロバート・キ*が、マレーシアで文顯進批判集会を開催。
2010.1.11.WTA、Jに対し米国で3100万ドルの訴訟提起。WTA USAは、米国メリーランド州地方裁判所にJを提訴。
2010.2.5.米国統一教会、文顯進を米国理事会から除名。文顯進は米国統一教会理事会で声明文を発表。
2010.2.22.PKとJYは、世界公職者集会報告を通し、「文顯進会長は真の父母様に敵対し、特に真のお母様を告訴した破倫児」であると公開批判。
2010.1.23.米国全国指導者会議で、JYはWTとUCI問題を取り上げて文顯進を非難。
2010.3月初め. SBが文顯進を破倫児とする文献を作成し教会に回す。
2010.3.6.ネパールの日曜礼拝の時間にロバート・キトゥルが文顯進を批判する。
2010.3.12-22.米国12都市巡回集会で、チョン*ファ,パク*ヨンが文顯進を批判。巡回都市は、ニュージャージー、ボストン、ニューヨークKEA、ダラス、アトランタ、ワシントンDC、オハイオ州コロンバス、シカゴ、ミネアポリス、シアトル、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク・マンハッタン
2010.3.24.JYがKHに対して800万ドルの名誉毀損告訴。
2010.4.2.文顯進、アジア3ヵ国ツアー、ネパール、フィリピン、インドネシア
2010.4.27.UCIの名称と目的を改正する書類に文顯進UCI会長とダニエル・グレーUCI事務局長が署名。UCIの新しい理事会メンバーは以下の通り。HYUN JIN MOON、MICHAEL SOMMER、RICHARD PEREA JINMAN KWAK、YOUNGJUN KIM
2010.4.29.「真の父母様聖婚50周年記念」アベル国連定着戴冠式及び金婚式•慶祝午餐が昨年に続き韓国の伝統に基づいて天正宮で再び挙行[5]
[1] 11月9日午前7時45分、Jはメールで解任事実の通報を受けると直ぐに、午前10時、仁川空港から代理人を通してワシントン・タイムズ航空(WTA)の資金2100万ドルを家庭連合宣教会財団の口座に不法送金し、空港の貴賓室ファックスで借用証を送った。午前中に借用証を宣教会と受け渡しし(借用証サイン日付11月6日)、午後5時頃、2100万ドルが宣教会の口座に入金される(WTAから)。
[2] 文亨進は本部教会でUPF世界会長就任の辞を即興演説した。UPFに対するビジョンや政策を発表するよりも統一教会の重要性を言及し、今後、UPF活動の政策的変化を予告した。UPF世界会長就任式のすぐ翌日の19日、創教者はとても優れない気分で全てのことを元の位置に戻すよう指示したという。この内容は、参加した人々を通して一瞬のうちに全世界に広がり、統一教会本部は大きく狼狽して、独自に釈明資料を公文として発送した。これに加えて韓鶴子の特別指示により、その日に撮影された全てのビデオは完全に削除され、それ以降、創教者が主管する訓読会場に入る時、電子機器の持込みが一切禁止された。UPF世界会長に対する人事の翻しと文亨進の就任式、そして、その次の日に行われた「訓読会」の状況について、韓国の平和大使を代表する某人士は、後日、次のような感想を語ったと伝えられた。「文亨進会長の就任の辞を聞くと、幅が狭く、文総裁の真意ではないように見えた。そして次の日に無効であるとされ、驚くばかりである。文総裁の志は自叙伝で示されるように超宗教的平和運動であるが、突如として統一教会に全てを統合するならば、ついて行く平和大使がどこにいるだろうか」『統一世界』2009.12、Vol.462、54-63頁.
[3] 『統一世界』2009.12,Vol.462,54-60頁.
[4] 2009.11.20.創教者に送った文顯進の書信
[5] 呉澤龍は金婚式を韓鶴子の神格化論理に活用した。「金婚式は真のお母様を神様の夫人の位置にまで上げる聖婚儀式であった。真のお父様は実体の父なる神様、真のお母様は実体の母なる神様の立場におられます。実体の神様の位相をもたれた真の父母様は、金婚式を通して第3次聖婚儀式を行われたのです」『統一世界』2010.5,Vol.467,71-72頁.
1. 無題