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統一教の分裂

統一教会に一体何が起こっているのか? 著者は、統一教会分裂の現象を長年に亘って観察し、歴史的研究方法によって研究してきた。この本は、膨大な統一教会の一次資料に基づき、統一教会分裂の原因から過程、結果を詳細に記述し、統一教会の未来を見ている。

7章3)創教者の宣布文とカリスマの没落‐3<お母さんとお父さんが最後に宣言した秘密文書>

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7章3)創教者の宣布文とカリスマの没落‐3<お母さんとお父さんが最後に宣言した秘密文書>

3)創教者の宣布文とカリスマの没落‐3お母さんとお父さんが最後に宣言した秘密文書>

 

統一教会のこのような行為は、統一教会の伝統とアイデンティティを崩壊させ、創教者と信仰者たちを断絶させ、創教者を世の中から孤立させる結果をもたらした[1]。文顯進に対する否定的な報告が横行し、真の家庭が一つになって文顯進をコーナーに追い込んでいった20107月の状況で、創教者は韓鶴子に対し意味のある言及をしている。

 

見なさい。天暦2010515(陽暦625)、これがナンバー1です。アリアから出発した最後の日に訓示したものです。天暦2010515日、その日が重要です。それがお母さんとお父さんが最後に宣言した秘密文書です。これは昼夜の神様も知らないものです。天暦2010515日午前335分とは何なのか。その時の出来事を中心に、その後の方針を密かにお母さんと約束しました。間違いなく、お母さんがお父さんと一体となって歩むと約束した時間です。

 

それまでは、お母さんがお父さんと一つになって行くという話をしませんでした。神様と世界に公布できませんでした。それを公布した時間が、天暦2010515日午前325分でした。この325分が重要です。3時は3時代を示し、25分は100年を中心として4分の1年を示します。

 

堕落した世界の終幕前においてお母様がお父様と神様を中心として約束しましたが、それが天暦2010515日午前325分の出来事でした。それが題目になっています。そうして「25分は1004分の1数に該当し、3時は初不得三の3時代を代表し、旧約・新約・成約時代の完成・完結・完了の時代を迎え、真のお父様と真のお母様の最終一体圏が完成・完了した全体・全般・全権・全能の時代を奉献と表する!」としましたが、ここに全て入るのです。純潔・純血・純愛の完備を見るアリアスカイ(Aria Sky)スタジオで、天暦58(陽暦619)20分に発表完結される!と言いました。全てが終わってお母さんと完全に霊界に奉献することのできる祈祷を捧げた時間です。「完結される、アジュ!」となっているので終わったのです[2]

 

創教者のこのような言及から韓鶴子を通して成そうとした創教者の最終目標が何なのかを知ることができる。創教者はこの日まで韓鶴子と一体になれなかったことを吐露していた。「創教者と一つになる」という言葉の意味は、韓鶴子が創教者の志に絶対服従することを言い、真の家庭の真なる母として、真のお父様の真なる妻として、人類の前に真の父母としての責任と使命を果たすことを言う。

 

文亨進の説教[3]と梁昌植の書信[4]から、創教者のこの宣言があるまで、容易でない過程を経てきたことが推測ができる部分がある。強迫観念に近い宗教的信念と、イエスから受けた人類救援の使命を血統復帰と真の家庭の世界的拡大によって成さなければならなかった創教者の切迫した事情を理解することができる。そのような創教者の要求によって、完成したエバの基準に達しなければならなかった韓鶴子の事情もある程度理解することができる[5]。創教者の願いは、韓鶴子と一体となり真の家庭の四位基台を正しく成すことによって、堕落したアダムとエバが果たせなかった創造理想のモデル的家庭を完成することであった。この家庭の出発は、神様の復帰摂理の本格的な出発であり、地上天国の出発でもあり、基元節と天一国を宣布することのできる絶対的な条件でもあった。

 

創教者は、韓鶴子が自身と一つになるという約束を根拠に「完全に一体を成した」という宣布をした。秘密文書の約束を守らなければ、創教者のこの宣布は無効になるという意味も含まれている。ところが、創教者のこの言及は、呉澤龍によって韓鶴子が完成し創教者と一体をなしたという証拠として使用された[6]。韓鶴子の考えと言葉が創教者の考えと言葉であり、韓鶴子の指示が創教者の指示でもあるため、韓鶴子に絶対服従しなければならないという主張につながった[7]。さらに、韓鶴子は神様の夫人であるという神様夫人論の根拠となった[8]

 


 

 

[1] 統一教会のこのような事態に対しある信徒は、腐敗した統一教会指導部と対立し戦わなければならないと主張している。「真の父母様を真の父母と呼ぶ全ての統一家の食口は、単なる父母様の崇拝者ではない。食口は真の父母様の子女として真の父母様の宗教的カリスマの弱体化を受け入れるが、すでに『天聖経』に記載されているごとく、真の父母様のカリスマが正常に伝授され合理的で民主的なリーダーシップを基にした新しい次元のカリスマが作動することができるように、環境を造成しなければならない。さらに真の父母様のカリスマを操作して食口と真の父母様を仲違いさせる統一教会の宗教屋を監視し、彼らの背教行為に対抗し戦わなければならない」

 

2012.8.30.http://cafe.daum.net/W-CARPKorea/cSkJ/16780.

 

[2] 『統一世界』2010.6,Vol.473.10.2010.7.1.

 

[3] 2015.6.2.文亨進の説教「なぜ、お父様がお母様に対し『鶴子、私はあなたと離婚する』そのように叫んで叱られたのかを、今、私は理解できます。特に最後のラスベガスで何度も語られました。全てを詐欺師は食口の前では隠すことができても、私たちは聞いたし見ました。お父様はご存知でした。お母様をそのように立てましたが、真のお母様として立てましたが、お父様はそのように多くの祝福を下さり、願われることを、未来のお母さんをご覧になりながらされましたが。何、数千回もお父様は、お母様は真のお母様である…」

 

[4] 2015.2.12.文亨進に送った梁昌植の手紙「ラスベガスの草創期の摂理に亨進様がいらっしゃらない時でした。人類救援のための最後の戦いの場であったそこで、それこそ24時間が緊張の連続でした。私たちも気軽に服を着替えてベッドに入ることができませんでした。午前1時、時には午前3時に特別儀式をされながら、天のみが知る摂理的な宣布宣言が続きました。お母さんが相対性を成すことができなければ、お父様は何もすることができませんでした。人間的に到底、想像も理解もできないことが多くありましたが、お父様が主導される摂理に絶対信仰・絶対愛・絶対服従の手本を見せられながら、完全一体摂理を勝利して来られた方がお母様でした。ですから、お父様はお母様と共に、同参権・同居権・同等権を宣布され、ご夫妻の一心一体を宣言されたのです」

 

[5] 「天も干渉できない蕩減復帰の摂理路程で、真のお父様と私が経験した苦痛は想像を絶します。私たちは真の家庭の4人の子女を摂理の祭物として捧げるまでしました。その険しい蕩減復帰の路程を誰が推し量ることができるというのでしょうか。私は生涯を捧げて、真のお父様の伴侶として同苦同楽し万難を越えてきました。その勝利的基盤の上で、真の父母様ご夫妻は天が与えられた摂理的次元の同等権・同居権・同位権を持てるようになったのです」2012.9.17.創教者他界後初めての公式集会における韓鶴子の説教.

 

[6]『統一世界』2010.7,Vol.470,53.「真の父母様は天紀元年の2010年天暦58日午前220分と515日午前325分の両日、米国ラスベガスで神様を中心とした天地人真の父母による特別宣布をされた。真の父母様は、天暦58(陽暦6.19)0220分、真のお父様と真のお母様が最終一体を完成完結完了したという事実を、特別祈祷を通して天の前に奉献され、その土台の上に天暦515(6.26)0325分『天地人真の父母定着実体み言葉宣布大会』を78日に韓国天正宮で行うと直筆で特別宣布された」

 

[7] 2014.1.12.天福宮金榮輝の説教.「お父様が霊界に逝かれてから地上で役事できない理由は、地上の祝福家庭が210代以上の先祖解怨式をしていないからである。…真のお母様がおられなければ、真のお父様は真の父母様に決してなれなかった。…真のお母様がおられなければ、真のお父様は真の父母様になることができなかった。真のお母様と真のお父様は、完全に一体一念一和一核となられた。そしてお母様はいつも、霊界におられるお父様と会話され、相談され、決済を受けて歩まれる。したがって私たちは、真のお母様に絶対服従しなければならない」

 

[8] 『統一世界』2010.7,Vol.470,53.

 




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プロフィール

HN:
JUN
性別:
女性
自己紹介:
「統一教の分裂」を読んで衝撃を受けた6500双の在韓日本婦人です。一人でも多くの日本人に読んで欲しいと思い、翻訳してブログに発表していくことにしました。

「統一教の分裂」目次

序文
1.特異な現象/1
2.統一教のアイデンティティ形成/5
  1)血統復帰の神話/7
  2)教理の形成:原理原本/11
  3)組織、教理、儀礼の体系化/14
  4)血統復帰儀礼の原型:創教者の聖婚式、子羊の宴/20
  5)血統復帰儀礼の拡張:統一教会信者の祝福結婚式/24
  6)祝福結婚式の過程と構造/28
  7)統一教会信者の生活と性的アイデンティティ/32
3.アイデンティティの大衆化/37
  1)血統復帰の拡張/37
  2)血統復帰儀礼の日常化:衆生式、復活式、永生式を通じた血統復帰/38
4.宗教を超えたアイデンティティ/43
  1)世界平和統一家庭連合の登場/43
  2)信念体系の確定:<8代教材教本と究極の真理/49
  3)創教者の使命完遂と人類解放日の宣布:基元節宣布/51
5. 創教者のカリスマ伝授の試みと反発/57
  1)文顕進の登場:カリスマ伝授の初の試み/58
  2)1世代の反発:世界基督教統一神霊協会の分裂開始/68
  3)文国進の登場と分裂の可視化/84
  4)文亨進の登場とアイデンティティの歪曲/97
6.カリスマ伝授の失敗:文顕進の追放過程/107
7.統一教の極限分裂とカリスマの没落/155
  1)分裂の内幕:2009年4月~2010年6月/156
  2)罠にかかった文顕進/165
  3)創教者の宣言文とカリスマの没落/167
  4)分裂の内幕:2010.6月~2012.8月/179
8.統一教の創教者が他界する/205
9.韓鶴子の変心/217
  1)教理の変更/217
   ①『天聖経』変更/219
   ②<家庭盟誓>変更/222
   ③『文鮮明先生御言葉集』内容削除した後、再配布/225
   2)文国進と文亨進の追放/230
10.韓鶴子の神格化の試み:神様の婦人から独生女へ/239
  1)韓鶴子の不順従/245
  2)神格化の最初の作業:神様婦人論/252
  3)神格化の二番目の作業:独生女論/262
  4)独生女論の教理化:『真の父母経』/274
  5)韓鶴子の現状分析(2012.9~現在)/277
   ①韓鶴子の自意識の変化/278
   ②韓鶴子のカリスマ/282
   ③韓鶴子の関心/283
  6)韓鶴子の現状の小結論/286
11.文亨進の最近の現状/291
  1)文亨進の説教/292
  2)文亨進の自意識/296
  3)創教者 崇拝/301
  4)韓鶴子への公開非難/303
12.文顕進の最近の現状/311
結び/317
参考文献/325
エピローグ/341