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統一教の分裂

統一教会に一体何が起こっているのか? 著者は、統一教会分裂の現象を長年に亘って観察し、歴史的研究方法によって研究してきた。この本は、膨大な統一教会の一次資料に基づき、統一教会分裂の原因から過程、結果を詳細に記述し、統一教会の未来を見ている。

5章2)第1世代の反発: 統一教会分裂開始-1

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コメント

1. 1998年

次のところが、心に残りました。

〇引用開始
 一つ、私たちの目を惹く現象は、文顯進を先頭に立てて創教者の権限を伝授する過程において創教者が示した態度が不明確であったことである。創教者は1998年に文顯進を公職に立てながらも、2000年3月に韓鶴子を後継者と言った[5]ことがあり、2000年9月には文顯進に地上での祝福をする権限を与えた[6]。

 統一教会の神学的観点から見ると、文顯進のこの主張は創教者のアイデンティティや統一教会の伝統と決して異なっていない。
 しかし、文顯進のこの「み言葉」の中には、本人が心配したように、創教者に否定的に報告する場合には創教者を誤解させかねない内容も含まれていた。

 80歳を越えた創教者を代身する次の指導者が韓鶴子になるか、文顯進になるかは、彼らにとても重要であったからである。
〇引用終わり

 次の指導者として顯進様を立てたいのがお父様の願いであったと思いますが、次期指導者を盛り立てるための環境が十分に整っておらず、うごめくマグマのようなものがあったのかもしれないと思います。

ただいまコメントを受けつけておりません。

5章2)第1世代の反発: 統一教会分裂開始-1

この2000年の摂理的転換の時に舵を誤らなければ、今日の分裂現象は起こらなかったのだろうと思います。本当に残念です。(JUN)



2) 1世代の反発: 統一教会分裂開始-1

 

創教者は家庭連合世界副会長に任命した文顯進に別の責任を任せた。2000331日に統一教会が主導する大学生組織カープ(CARP)の世界会長に文顯進を任命した[1]。これは世界平和統一家庭連合の世界副会長が統一教会の二世組織まで掌握することができ、創教者の後継者基盤を文顯進がさらに強固にできるようになったことを意味する。

 

彼の就任の辞全体は創教者が生涯を通じて示したアイデンティティと異なるところはなかったが、当時、統一教会が制度化されていると批判した点[2]、一世時代が過ぎ去り二世時代が到来したことを強く言及した点、宗教が必要ない時代になったことを主張した点[3]などは、一世指導者の耳には文顯進がこれから統一教会を改革していくものと聞こえたはずである。改革の対象が自分たちであったので、彼らの心は安らかではなかったであろう。頑固な文顯進の性格から見ると、彼が創教者の全ての権限を受け継いだ後に何が起きるかは、火を見るよりも明らかであった。

 

カープ会長就任直後に文顯進は会長として、20044月から8月まで全世界9ヵ国20ヵ都市の大学街を巡回して、「相続と発展」という主題で講演して回った。30歳の若い指導者の上手な英語講演は参加した人々を感動させたと思われる。彼は定着時代の理想家庭実現の為のパラダイムの転換を発表した。その意図は創教者の宗教的、超宗教的理想に同参し「復帰摂理時代の荷を降ろし、二世が先頭に立つ中で『神様の夢』と『真の父母様のレガシー(業績と伝統) 』を正しく相続して定着時代(後日、「天一国時代」)に必要な統一家のリーダーシップと文化を立てて行こうということ」だった。文顯進を先頭に立てた創教者の判断と文顯進の試みは、統一教会再復興の為に必要な措置だったと評価できる。相当数の統一教会の信仰者たちは、文顯進の出現に大きな期待をかけていた。しかし、一部の指導者の中には、文顯進の出現と二世圏を中心とした新しい出発を、相続ではなく断絶であり発展ではなく脅威として受け取る視角もあった[4]

 

一つ、私たちの目を惹く現象は、文顯進を先頭に立てて創教者の権限を伝授する過程において創教者が示した態度が不明確であったことである。創教者は1998年に文顯進を公職に立てながらも、20003月に韓鶴子を後継者と言った[5]ことがあり、20009月には文顯進に地上での祝福をする権限を与えた[6]。また、200011月には「母子協助時代が終わって父子協助時代が到来したので、母は必要なく、父と息子が一つにならなければならない」[7]と語った。また200010月当時、家庭連合韓国会長であった黄善祚に「地上では文顯進と一つにならなければならない」と教示し[8]2001年には40歳以下の統一教会幹部の人事権まで文顯進に与えた[9]

 

創教者のこのような言及に対して当事者が具体的にどういう態度を見せたのかは正確に分からないが、一世高位幹部は敏感に反応したことであろう。80歳を越えた創教者を代身する次の指導者が韓鶴子になるか、文顯進になるかは、彼らにとても重要であったからである。

 

2001225日に創教者は、文顯進を世界平和青年連合(YFWP)世界会長に任命した。世界平和統一家庭連合世界副会長、原理研究会世界会長、世界平和青年連合世界会長になることによって、文顯進は名実共に統一教会の確固たる次世代指導者の立地を固めることとなった。その上で40歳以下の人事権と48歳以下の人事権を文顯進が引き継ぐことによって、統一教会の組織全体が文顯進の管理下に入った。文顯進は世界平和青年連合世界会長の就任の辞で、「一世と二世が一つになって自然に神様の使役を展開し続けなければならず、父母の使命は子息に引き継がれ、神様の摂理を一つの世代に局限するのではなく、これから代々引き継がれて行き、二世圏の新しい指導者は新しい文化革命を主導しなければならない」と述べた[10]

 

創教者の積極的な支持を受けた文顯進は、創教者の摂理的理想を実現する為の統一教会改革作業に着手した。2001310日、カナダのケベック州モントリオール市近隣で韓国と日本、米国を含めた世界18ヵ国から40歳以下の二世公職者300名余りが参加した「第121日指導者特別修練会」が開催された。一世を代表する黄善祚家庭連合世界会長と7大陸会長、そして南北統一運動国民連合議長、世界平和青年連合韓国会長、韓国と日本の高位幹部も参加した[11]。原理講義、統一運動のプレゼンテーション、一世先輩の証し、スポーツで進行されたこの修練会は、40歳以下の指導者が文顯進と一つになった基準で成された「盟誓式」を通じて、異口同音に文顯進が提示した盟誓文を必ず守ることを決意した[12]

 

この修練会の目的は、前世界平和統一家庭連合世界会長であると同時に、文顯進の舅である郭錠煥の特別講演に明らかに現われている。彼は当時、統一教会が処していた状況と創教者の教示を土台に次のような要旨の発言をした。:


 
「何よりも21日特別修練会の間、皆さんは摂理的時を自覚して使命を完遂する為に、契約の箱としての興進様、顯進様と完全な一体を成すように、自分の全てを生きた供え物として捧げる神聖な祭祀を捧げなければなりません。

 

…もう一度、霊界の興進様と地上の顯進様が直接主管されるこの21日修練会の間、自分の使命分野が何なのか深く暝想し、具体的な計画を立てて、その責任を不変の心情として胸深く刻む皆さんになるようお願いします。21日特別修練会の全期間、神様と真の父母様、そして興進様と顯進様の特別な教えと恩恵が共にあることを祈願します[13] 

 

郭錠煥に続いて世界会長の黄善祚、日本総会長の劉正玉の特講内容も大同小異であった。特に劉正玉は二世時代の中心である文顯進の努力に感謝を示しながらも、創教者のみ言葉と権威に従わなければならないと忠告している[14]。当時、文顯進の一歳下の弟である四男・文國進の舅として、創教者の絶対的支持を受けていた文顯進に対するある種の牽制心理と、一部の一世指導者の不愉快な世論を代弁した言及と見られる。この修練会を伝える『統一世界』には、修練会に参加した人々の感想文が掲載されているが、中でもチョン・ドンウォン、ナム・インソク、ハム・ジンモ、チョン・ジンパルは二世摂理時代の指導者である文顯進に対して忠誠の念を誓っていた[15]

 

それに続いて、文顯進は開会式の「み言葉」を通して「復帰摂理全体の目的と真の父母の使命は、絶対者・神様の失われた真の家庭を回復し、堕落した全ての人類を絶対者・神様の血統に復帰させること」という点を明らかにした。「真の父母は教会や統一教会という特定宗教を作る為に来たのではない」と力強く語った。 彼は自分のこうした主張がとても革命的であるため、(統一教会の)教理的立場からは異端として誤解される恐れがあるとまで述べながら、

  

「考えてみてください。若者(文顯進自身)が一世の前で、皆さんが前にしたことは本当に神様のみ旨を立てることではなかったと、真の父母様の使命は今から始まると言ったら、聞きたいですか、聞きたくないですか。…今この場には年配の人も沢山いますが、今までの過去のことは蕩減的なこととして過ぎ去ることであり、本格的な父母様の摂理はこれから始まるとこのように年若い人が話す時、皆さんは今まで青春を捧げて教会の為に万物復帰も伝道もしてきましたが、自分がしてきたことを無視して若い者がこのようなことを言ってよいのかと気分を害し、異端だという気がしますか。

 

…皆さんに一つだけ教えてあげましょう。父母様は決して私たちを捨てないでしょう。父母様は真の家庭の中に永遠に生きておられるでしょう。ですから、私が持っている夢と期待は私だけのものではありません。私の夢と期待は父母様から来ているのです。そういう心情と期待と夢を持っている人が、続けて真の家庭として立てられる限り、父母様は永遠に一緒におられるのです。…

 

もし修了証を受け取ることができなければ、私たちは摂理の中で如何なる指導者の責任も受けることができません。ここの修練会に来る前に高い責任を担っていた人、低い責任を担っていた人がいたでしょうが、この場では全て同じです。過去に持っていた重荷や考え、職責全てを後に置いて、この修練会に来た以上は裸になった立場で新しく出発するのです。今この瞬間から、この修練会をどのように修了できるかは、全面的に皆さんにかかっています。このことはどんなに強調しても足りません。

 

…ここに参加した人たちは全て署名しなければなりません。このように署名した後、その誓いを破るようなことをすれば、たとえ皆さんがこの修練会を修了して修了証を受け取ったとしても、その修了証は剥奪されるでしょう。言い換えると、私たちの教会指導者の基準について、今とても深刻に考えています。指導者として皆さんはアベルの位置にあるという事実を忘れてはなりません。

 

…私は個人的に12年の目標を立てました。原理研究会と青年連合組織を動員し、40歳以下の食口を動員して成し遂げるでしょう。窮極的に神様の祖国を探し立てるでしょう。南北統一! 南北統一は真の父母様を中心にした南北統一です。それゆえ12年目標を立てたのです。真の父母様を中心として南北統一を成す為に12年を立てたのです。父母様が国を探し立てようとする心を私がよく知っています。特に韓国の南北統一を成し遂げたいことをよく知っています。父母様が神様を解放させる伝統を立てたように、私が父母様の息子として父母様を中心とした南北統一を成し遂げることによって神様を解放してさし上げ、父母様を解放してさし上げ、真の家庭を解放するでしょう。ですから皆さんは付いて来たいですが、付いて来たくありませんか。『付いて行きたいです』付いて来るのですか、道を導いていくのですか。『導いていきます』本当に事実なら、私たちの教会には未来があります。新しい定着時代に二世時代を出発させる修練会、新しい指導者像を構築する為のこの修練会に私と一緒に一つになって出発するという人は手を挙げましょう。アーメン。『アーメン!』」[16]

と語った。

  

統一教会の神学的観点から見ると、文顯進のこの主張は創教者のアイデンティティや統一教会の伝統と決して異なっていない。彼は絶対者・神様と真の父母の理想と夢を成し、南北統一を12年計画で実現すると闡明している。文顯進は力強いカリスマを持った創教者の指示と任命を受けて、「真の子女」という「絶対者の直系血統を受け継いだ者」としてこの「み言葉」を語っているので、誰もこれに否定的意見を提起することはできなかったであろう。しかし、文顯進のこの「み言葉」の中には、本人が心配したように、創教者に否定的に報告する場合には創教者を誤解させかねない内容も含まれていた。

 

(年配の)一世は失敗し、これまで一世たちの摂理は絶対者の摂理を立てるものではなく、真の父母様の使命はこれから」という文顯進の主張は正確な摂理認識であったが、一世である「創教者は失敗した」という主張として誤解される素地があった。また、それなりに難しい境遇で創教者に従ってきた多数の一世指導者の生き方を否定する言葉として聞こえかねなかった。実際に統一教会と創教者に向けた文顯進の内的な忠情が深く分からない人々は、文顯進が自分を現わして創教者の摂理を失敗とみなしていると囁(ささや)いたりもしたという。創教者にどう報告したのか、創教者は文顯進が自分に報告しないで勝手にしていると立腹した[17]。その上に修練会の参席者から受け取った「盟誓文」は明確に「公職者の盟誓」だったが、本来の意図とは無関係に文顯進に絶対服従する盟誓文として誤解される恐れもあった[18]

 


  

[1] 2000214日に文顯進はソウル蚕室オリンピック体操競技場で開催された第4回世界ハンマダン体育大典において開会の辞を述べ、翌215日に創教者は韓国中央修練院で開催された世界指導者会議で文顯進をワールドカープ世界会長に指名した。

 

[2] 当時の世俗化された統一教会の宗教的現実を文顯進は正確に診断した。特に日本から流入した物凄い資金が投入されたにも関わらず、統一教会の実績は微々たるものであり、依然として世の中からは健全な宗教という評価すら受けることができていない。その上に統一教会一世が主導した事業体は1999年に破産状態であった。

 

[3] 文顯進『心情文化の主人』(ソウル:ワールドカープ,2004)「ワールドカープ会長就任の辞」16-35.:「…私たちも知らない間に既に制度化されてしまいました。統一教会を一つの組織、本来あるべき一つの必然的な実体として眺めていますが、統一教会は必ず存在しなければならない必然的な組織ではありません。…神様の実体王国建設ができるようになりました。…どのように私たちが全てを抱くことができるのかを苦悩すべきです。…論議の焦点が『私』から『家庭』に変わらなければなりません。皆さんの家庭がどのように天国に入ることができるのかについてです。…定着時代、第4次アダム圏時代、二世時代の意味です。今の時は私たち(CARP会員)が主人意識を持つべき時です。…神様の国の建設が話題になるべき時です。…復帰摂理の全体目的は即ち、理想家庭を創造することです。…私たちが信じて告白することが私たちの生き方になれば、その時にはお父様が明らかに語られたように、宗教はこれ以上必要なくなります。宗教の究極的な目的は肉身と霊魂の解放です…」

 

[4] 当時、日本宣教師であったK氏の証言。このような不信の原因を真の家庭自らの問題と見る視角もある。当時の文孝進に関する噂は真の子女に対して失望と挫折を抱かしめた。そして文恩進の話、洪蘭淑が暴露した真の家庭の話などは、苦労して原理を学習してきた一世たちの先入観を固着させた点も考慮する必要がある。

 

[5]「先生が霊界へ行けば、お母さんが責任を持つのです。その次には息子娘です。息子がしなければなりません。息子がいなければ、娘がしなければならないのです。後継者が誰かということは既に伝統的に全てなっています。尋ねてみることなど一つもないというのです」『み言葉選集』318,260.2000.3.10.

 

[6]「今日、皆さんの祝福は、興進君が父母様を代身して既に霊界祝福や地上祝福までもすることができるのです。興進君の代わりに顯進を父母様が立てれば、父母様の代わりに祝福することができます。先生が80歳の老人なのに、80の老人が祝福するのが見栄えが良いですか、良くないですか」『み言葉選集』332,307-308.2000.9.24

 

[7]「ですから直接的で完全な愛の種を家庭的に受けて、父と息子が直系で連結されるのです。ここには母が必要ありません。母子協助時代と父子協助時代は違うのです。絶対愛によって神様が女を抱いてきましたが、そこに相対的立場に立とうとすれば絶対服従しなければならないのです。その言葉は母に対する言葉です。母子協助時代を蹴飛ばして父子協助時代に移るので、母はここに協助しなくても絶対信仰、絶対愛、絶対服従していくことによって蕩減する為に苦労した全ての時代の祝福を天から受けることができるのです」『み言葉選集』456,465.2000.11.11

 

[8]「教会体制を基本として黄善祚がこれから全体の責任を負うことはできません。先生の息子娘がいて、従って越えて来るので、先生の息子娘に従うべきでしょう。分かりますか。(はい)それで霊界には興進君を天使長と共に送り、地上では今や顯進を中心として一つにならなければならないのです。それゆえ皆さんは、顯進家庭を中心として一つになって父母様に従って入っていくのです。そうしてこそ全てが終わるのです」『み言葉選集』335,285.2000.10.6

 

[9]「今回韓国で会議する時、40代以前はニ世である顯進の命令に絶対に順応せよと言いました。そうです。人事措置でも何でもせよと特権を承諾しましたか、しませんでしたか。(ニューヨークでですか)そう、ニューヨークで。王権を樹立するようになる時は一世は過ぎ去るのです。一世時代は過ぎ去り二世時代になるので、若い人々、米国、中国、ソ連の三大怨讐を中心とした世界の学生たちを集めて、40ヵ国の学生たちを集めて、デモ運動することができる準備を今しているのです。(拍手)」『み言葉選集』343,289.2001.2.18.

 

[10] 文顯進は就任の辞で、「世俗的な文化に対抗できる新しい文化革命を主導しなければならない」と表明したが、内部で先ず革新が起きなければそれは不可能であるということを何年間かの現場経験を通じてよく知っていた。彼は組織的な変化と革新よりも統一運動指導者のリーダーシップパラダイムと祝福家庭の文化において、革新が起きなければならないと見た。世界基督教統一神霊協会,『統一世界』2001.4, Vol.362, 128.

 

[11] 『統一世界』2001.4, Vol.362,122.

 

[12] 『統一世界』2001.4, Vol.362,126.

 

[13]『統一世界』2001.4. Vol.362,82.彼は講演で「①二世時代が来た。②霊界は故人になった興進様が中心となって、地上では顯進様が全てについて真の父母を代身するので、40歳以下の全ての人、指導者は顯進様の主管の下にある。③真の父母様が全てを顯進様に報告せよと指示したのは、本格的に二世時代の出発を体系的・制度的に定立したことを意味する。④真の父母様は48歳以下の青年連合会員までも顯進様の指示に従わなければならないと語り、このような若い人々を先頭に立てて、より躍動的な組織と活動をして天の主権と国を復帰して天を解放しなければならない」と述べた。

 

[14]「…父母様のお顔を拝見する度に、父母様の胸中に収められている苦痛と苦悶が何なのかということも感じることができました。…お父様が出てこられて顯進様に様々な激励と祝福をして下さいました。もう一方では指示と忠告のみ言葉も下さいました。その内容は、何かの仕事をする時は必ず父母様と相談してせよというみ言葉でした。そのみ言葉は、顯進様がされる仕事は即ち父母様が語られたみ言葉であり、される仕事であることを意味しています」『統一世界』2001.4月号、Vol.362, 90-102.

 

[15] チョン・ドンウォンは、「私たち皆は顯進様を船長として、茫々たる大海に迫って来る風浪に備え、各自の役割を準備している。任さられた使命の中には容易いことや手に余ることもあるが、絶対的信仰の主体である真の父母様と顯進様がおられるのに、何一つ嬉しくないのか」と語り、ナム・インソクは「全てをご自身の懐にその大きな愛で包み抱かれ、新しい出発を求められる顯進様、悲惨な神様を解放してさし上げる為に一生を、全てを与え犠牲と苦痛の歳月を生きてこられた父母様を解放してさし上げようとする顯進様。私たちは躊躇う何の理由もないことが分かる」と語った。「お父様が地上におられる時までにすべきことがあるので、顯進様と一体となって無我夢中で走っても時間が足りない。子を失くした神様の心情をいつも忘れずに慰めてさし上げる自分自身とならなければならない。行っても行かなくてもよいこの道ではなく絶対的で宿命的道なので、感謝しながら行かなければならない」と述べ、チョン・ジンパルは「今回の修練会を通じて、私が歩んで来た信仰の道が真の父母様の絶対的み旨に対する確信へと連結され、新しい時代の真のアベルとして登場される顯進様をより深く理解することができた。この深い理解によって私が今まで歩んで来た信仰の道の価値をより深く悟ることができ、未来に対する確実かつ具体的なビジョンが持てた」と語り、忠誠を誓った。しかし、彼らは後日、文顯進を非難する側に加勢した。『統一世界』 2001.4, Vol.362, 82.

 

[16] 『統一世界』2001.4, Vol.362, 56-72.

 

[17]「統一教会が今まで茨の道を経ながら種を改良させ、これほどの基盤を築いたということを知らなければなりません。その歴史の全ての骨と肉がそこに込められていなければなりません。顯進の栄光が現われてはなりません。お父様の船に乗れというのです。パンタナールでです。私はそういう話をしませんでした、まだ。私の言うことが何のことか分かりますか」『み言葉選集』323,86.2000.5.31.; 「顯進もそうではないですか。以前、『こいつ、父がせよという通りにしないで、お前の勝手に統一教会を動かすのか。何日か待ってから父に報告すれば良いだろうに』と言ったのです。何も分からないのに責任者だと言ってするのは駄目なようになっています。出かけようとするのを襟首を掴まえて、『こいつ、どこに行こうというのか』と言ったのです」『み言葉選集』353,122.2001.9.5.

 

[18]「公職者の盟誓、私は文顯進21日特別修練会を成功裏に終えた定着時代の公職者として、神様と真の父母様と真の家庭の前に次のように誓う。1.私は神様主権の大使として品位と名誉を持って神様のみ旨を実体化する。2.私は絶対信仰、絶対愛、絶対服従で神様と真の父母様と真の家庭に侍る。3.私は祝福の中心家庭として真の父母様と真の家庭から相続された神様の血統を永遠に尊重して守る。4.私は真のアベルとして賦与された権限を個人の栄逹の為に濫用せず全体の繁栄の為に自分を献身する。5.私は真の僕として全ての公的資産の管理と使用の為に賦与された信頼を守り、いつも公的資産の管理と使用に対する責任とその結果に対する責任を負う。6.私は二世が本然の心情文化運動の先頭走者として神様の直接主管圏に入って行くように誠実に導く。7.私は祖国光復を実体的に成し遂げ神様解放、真の父母解放、真の家庭解放、そして人類解放を必ず成就する。8.私は祝福の中心家庭指導者として第4次アダム圏時代と二世時代を迎え、真にして絶対的な天地の法道を守護する。私は以上の誓約を絶えず自分に悟らせ確認し、窮極的には真の父母様の遺産を相続する真の子女になることを厳粛に誓う。2001.3.29 署名」

 

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1. 1998年

次のところが、心に残りました。

〇引用開始
 一つ、私たちの目を惹く現象は、文顯進を先頭に立てて創教者の権限を伝授する過程において創教者が示した態度が不明確であったことである。創教者は1998年に文顯進を公職に立てながらも、2000年3月に韓鶴子を後継者と言った[5]ことがあり、2000年9月には文顯進に地上での祝福をする権限を与えた[6]。

 統一教会の神学的観点から見ると、文顯進のこの主張は創教者のアイデンティティや統一教会の伝統と決して異なっていない。
 しかし、文顯進のこの「み言葉」の中には、本人が心配したように、創教者に否定的に報告する場合には創教者を誤解させかねない内容も含まれていた。

 80歳を越えた創教者を代身する次の指導者が韓鶴子になるか、文顯進になるかは、彼らにとても重要であったからである。
〇引用終わり

 次の指導者として顯進様を立てたいのがお父様の願いであったと思いますが、次期指導者を盛り立てるための環境が十分に整っておらず、うごめくマグマのようなものがあったのかもしれないと思います。

プロフィール

HN:
JUN
性別:
女性
自己紹介:
「統一教の分裂」を読んで衝撃を受けた6500双の在韓日本婦人です。一人でも多くの日本人に読んで欲しいと思い、翻訳してブログに発表していくことにしました。

「統一教の分裂」目次

序文
1.特異な現象/1
2.統一教のアイデンティティ形成/5
  1)血統復帰の神話/7
  2)教理の形成:原理原本/11
  3)組織、教理、儀礼の体系化/14
  4)血統復帰儀礼の原型:創教者の聖婚式、子羊の宴/20
  5)血統復帰儀礼の拡張:統一教会信者の祝福結婚式/24
  6)祝福結婚式の過程と構造/28
  7)統一教会信者の生活と性的アイデンティティ/32
3.アイデンティティの大衆化/37
  1)血統復帰の拡張/37
  2)血統復帰儀礼の日常化:衆生式、復活式、永生式を通じた血統復帰/38
4.宗教を超えたアイデンティティ/43
  1)世界平和統一家庭連合の登場/43
  2)信念体系の確定:<8代教材教本と究極の真理/49
  3)創教者の使命完遂と人類解放日の宣布:基元節宣布/51
5. 創教者のカリスマ伝授の試みと反発/57
  1)文顕進の登場:カリスマ伝授の初の試み/58
  2)1世代の反発:世界基督教統一神霊協会の分裂開始/68
  3)文国進の登場と分裂の可視化/84
  4)文亨進の登場とアイデンティティの歪曲/97
6.カリスマ伝授の失敗:文顕進の追放過程/107
7.統一教の極限分裂とカリスマの没落/155
  1)分裂の内幕:2009年4月~2010年6月/156
  2)罠にかかった文顕進/165
  3)創教者の宣言文とカリスマの没落/167
  4)分裂の内幕:2010.6月~2012.8月/179
8.統一教の創教者が他界する/205
9.韓鶴子の変心/217
  1)教理の変更/217
   ①『天聖経』変更/219
   ②<家庭盟誓>変更/222
   ③『文鮮明先生御言葉集』内容削除した後、再配布/225
   2)文国進と文亨進の追放/230
10.韓鶴子の神格化の試み:神様の婦人から独生女へ/239
  1)韓鶴子の不順従/245
  2)神格化の最初の作業:神様婦人論/252
  3)神格化の二番目の作業:独生女論/262
  4)独生女論の教理化:『真の父母経』/274
  5)韓鶴子の現状分析(2012.9~現在)/277
   ①韓鶴子の自意識の変化/278
   ②韓鶴子のカリスマ/282
   ③韓鶴子の関心/283
  6)韓鶴子の現状の小結論/286
11.文亨進の最近の現状/291
  1)文亨進の説教/292
  2)文亨進の自意識/296
  3)創教者 崇拝/301
  4)韓鶴子への公開非難/303
12.文顕進の最近の現状/311
結び/317
参考文献/325
エピローグ/341