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統一教の分裂

統一教会に一体何が起こっているのか? 著者は、統一教会分裂の現象を長年に亘って観察し、歴史的研究方法によって研究してきた。この本は、膨大な統一教会の一次資料に基づき、統一教会分裂の原因から過程、結果を詳細に記述し、統一教会の未来を見ている。

6章 カリスマ伝授の失敗: 文顯進追放過程-5<重要なことは私や國進や亨進ではありません真の家庭が正しく立つか否かです>

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6章 カリスマ伝授の失敗: 文顯進追放過程-5<重要なことは私や國進や亨進ではありません真の家庭が正しく立つか否かです>

6章 カリスマ伝授の失敗: 文顯進追放過程-5重要なことは私や國進や亨進ではありません真の家庭が正しく立つか否かです>


2008.8.10.
文顯進が創教者に手紙を送付

創教者に送った文顯進の書信を通じて、2008810日当時、統一教会の分裂状況の中における彼の境遇を理解することができる。

 

…重要なことは私や國進や亨進ではありません。天のみ旨が成就されるか否かです。真の父母様の真の家庭が正しく立つか否かです。お父様、私は母と争いたくありません。兄弟とも争いたくありません。しかし、このまま放置しておいたら、長期的に見ると、神様のみ旨とお父様が一生を投入して築いた基盤が摂理の最終目標に向かって行くことができずに全て崩壊してしまうでしょう。

 

…今あれほど近くで過ごした弟()と正反対の立場でぶつかり合っている状況です。この分裂はお母様が文國進を支持していることと併せて、お父様が(2006)4月に下した決定を覆す過程[1]においてさらに悪化しています。それゆえ、私の心は引き裂かれるほどに痛いです。私が家庭の為に、そして統一家の為に一体どうすればよいのかすら分かりません[2]。…

 

文顯進はこの手紙の中で「天のみ旨」に言及している。そのみ旨は即ち、創教者を中心とした真の家庭が絶対者・神様が成そうとした最初の理想家庭を成し、地上天国を実現することである。文顯進は母・韓鶴子と2人の弟、即ち文國進及び文亨進と葛藤していると告白している。その分裂の原因は、韓鶴子が真の家庭の秩序を無視したまま、2006423日に天の前に誓った約束を覆したことにあったと文顯進は陳述している。そして彼はその分裂を苦しんでいた。

 

2008.8.14.文仁進の米国総会長就任式[3] (文顯進夫妻参加)

 

2008.8.21.米国総会長として任命した文仁進が、創教者が任命した理事会役員を文仁進の側近の人物に交替[4]

 

821日、突然、米国家庭連合理事会が召集されました。夜10時頃に公知が出されましたが、翌朝7時に電話会議を通じて既存の理事の大部分を解任するということでした。召集公告を48時間以前にしなければならない規定も破り、顯進様とも全く調整されていませんでした。実は顯進様を代身して理事会に入っていた郭珍満氏も、解任対象に含まれていました。後にお父様がこの報告を受けられ、理事を再び元に戻すよう命じましたが、彼らは一部は元に復帰させたものの一部はそうしませんでした[5]

 

2008.8.27. 文顯進、イスラエルUPF大会及びGPF大会で演説

 

2008.8.30. 文顯進、ケニア国際指導者会議及びGPF晩餐会で演説、ケニアのオディンガ国務総理と会談

 

2008.8.31. 文顯進が主管したGPFケニア大会開催

 

831日、アフリカ・ケニア(Kenya)の首都ナイロビ(Nairobi)のケニヤッタ国際会議場前広場で2万人余りが参加して、2008 Global Peace Festival ケニア大会が盛況裏に開催された。ライラ・オディンガ(Raila Odinga)国務総理夫妻を始め120人の国会議員、アフリカの政治及び宗教指導者と市民社会団体代表など2万人余りが集った中で、文顯進は基調演説で「ここアフリカ・ケニアは、現生の人類が全世界を移動して今日の文明世界をあらしめた文明の発祥地であり、現在の時はここケニアがアフリカを越えて全世界の平和の震源地であり、人類和合の発祥地となることを心から期待する」とし、「今日、世界平和に脅威を及ぼす中東地域から、冷戦時代の遺物であり地球の最後の分断国家である韓半島、飢餓と疾病、部族紛争と政治的紛争により絶えず苦痛に遭っているアフリカに至るまで、これから人類は、このようにバラバラになった平和のパズルを『One Family under God』のビジョンを中心に再び合わせて行かなければならない」と演説した。

 

ケニアのライラ・オディンガ国務総理は、この日の歓迎の辞を通して「私たちにとって本当の平和は自分が特定の氏族と国家、または政治的派閥の一構成員である以前に先ず、神様の子女として一つの兄弟姉妹であるという事実を悟る時にのみ成される」とし、「One Family under GodというGPFのビジョンは、ケニアとアフリカを越え全世界を平和に導く唯一のビジョンであり、皆がこのビジョンの主人になろう」と促し、文鮮明総裁と彼の息子である文顯進議長の世界平和の為の活動に力強い支持と協力を表明した。(2万人余り参加)

 

2008.8.31.2008831日付のニューヨークポストの記事に、文仁進の夫・朴**関連の内容が包まれる[6]

 

2008.9.4.文國進は米国指導者を呼び出し、「米国総会長はお父様の任命した文顯進ではなく、世界会長である文亨進が任命した文仁進だ」と強弁した。創教者の指示が真の家庭の息子によって無視される状況がこのように起きていることが分かる。この事実は現場にいたヒュー・スパルジン博士がトマス・ウォルシュに暴露することによって知らされた。


 

 

[1] M氏の法廷陳術書の内容と当時現場にいたK氏などの陳述、以後に起こった事件、裁判所の判決文(事件番号201165695ソウル高等裁判所第12民事部判決文)などから見ると、韓鶴子が文顯進にした約束の内幕は次のとおりである。2006424日、創教者が文國進を排除し文顯進中心の統一教会資産運用を指示すると、韓鶴子は真の家庭の紛乱と見られる恐れがあるとして、文顯進に対して韓国財団理事長を文國進に譲歩するように説得したという。この時、文顯進は「第一に、國進はヨイドパークワン・プロジェクトが成功するように全面的に協調しなければならない。これを母が責任を持って説得する。第二に、UCI所有のセントラルシティー(以下CC)と龍平はUCIが管理監督し、韓国財団はその活動をUCI世界財団に定期的に報告する。第三に、自分が真の家庭の兄としての役割ができ秩序を立てることができるように母が協調する」という条件を天の前に約束し、創教者の最後の裁可が受けられれば譲歩すると韓鶴子に言ったという。この時、韓鶴子は文顯進に3つの条件を約束だけして、創教者の裁可なしに独断的に文國進を韓国財団理事長として発表してしまった。勿論、3つの約束はその後も守られなかった。

 

[2] 2008.8.10.文顯進が創教者に送った書信。この書信の内容は後で公開されたが、この書信が創教者に届いたか知る人はいない。

 

[3] 文亨進世界会長によって去る729日、米国総会長として人事発令を受けた文仁進の就任式が814日、マンハッタンセンター7階で全国公職者及び平和大使など500人余りが集まる中で晩餐形式で挙行された。この日の就任式には文顯進、文權進、文榮進、文情進などの「真の子女」が参加した。『統一世界』2008.9,Vol.447,134.;文仁進は814日に就任式を行うと直ぐに、教会理事陣の交替を試みた。彼らは創教者が任命した米国理事陣を入れ替え、米国統一教会が所有している資産を文顯進側の人々の干渉なしに自由に主管しようとした。特に呼び値数億ドルのニューヨークの象徴的なホテルであるニューヨーカーホテルと、その横に隣接しているマンハッタンセンターは米国統一教会理事会が経営権を持っていた。彼らは夜遅くに連絡して翌早朝に電話会議を通じて理事会を開催すると知らせ、現理事の一括辞任と、文仁進が立てた新しい理事陣を迎え入れる案件を通過させた。文仁進の理事会召集方法も正常ではなかったが、彼女が現理事を追い出して迎え入れようとする理事は常識を逸したものであった。こうした事実が創教者の耳に入った後、創教者は原状復帰を命じた。金孝律と梁昌植側から消息を聞いて創教者に報告したのであった。ところが、文仁進夫妻は一部だけ理事に復帰させ、彼らが入れた何人かはそのまま残すことによって、20092月の理事会事件と束草事件の禍根となった。理事会騒動が起きた直後、文顯進は韓国に立ち寄り創教者に会って苦境に立たされた。創教者は文顯進が米国の資産を統制しようと自ら直接理事会を替えたと考え、「何故、理事会を全て替えたのか」と大目玉を食らったという。何もしなかったと申し上げると、「お前が米国の責任者なのに、何もしなかったとは何ごとか。もう一度、全て替えろ」と指示した。K氏の証言.

 

[4] 創教者が任命した元々の理事は金炳和大州会長、パク・ジョンヘ共同大州会長、マイケル・ジェンキンス協会長、タイラー・ヘンドリクスUTS総長、金起勲ACLC会長、郭珍満副会長(文顯進代理)、フィリップ・シェンカー協会長、ヒュー・スパージョン博士(ブリッジポートアカデミー校長;教会元老)となっていた。ところが文仁進は就任直後に彼らを全て免職させ、文仁進総会長、朴珍成(文仁進の法的夫、公式職責なし)、シェリー・ルター(女性、公式職責なし)、クリスティーン・プロエリッヒ(女性、公式職責なし)、ジョシ・ハウアー(女性、公式職責なし)、ジョシュア・カーター(男性、後に文仁進が副協会長に任命)を理事に変更した。

 

[5] 当時、文顯進に随行していたK氏の証言。文仁進は新たに任命した6人の内、2人だけ除いて文仁進夫妻とシェリー・ルター、ジョシュア・カーターなど4人を残留させ、解任した8人の理事の内、5人だけ復帰させ、金炳和、パク・ジョンヘ、フィリップ・シェンカーなど3人は復帰させなかった。

 

[6] 2008831日付のニューヨークポスト記事に、米国のバイデン副大統領の息子に関する記事が載せられたが、よりによってこの記事に、朴**の名前が挙論されたが、内容は実に恥ずべきことであった。朴**氏が麻薬問題がある(Park had a drug problem)と言った。彼は「不法薬物を定期的に摂取し(used illegal substances on a regular basis)」フロリダでリハビリ治療を受けたという主張も提起された。

 




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プロフィール

HN:
JUN
性別:
女性
自己紹介:
「統一教の分裂」を読んで衝撃を受けた6500双の在韓日本婦人です。一人でも多くの日本人に読んで欲しいと思い、翻訳してブログに発表していくことにしました。

「統一教の分裂」目次

序文
1.特異な現象/1
2.統一教のアイデンティティ形成/5
  1)血統復帰の神話/7
  2)教理の形成:原理原本/11
  3)組織、教理、儀礼の体系化/14
  4)血統復帰儀礼の原型:創教者の聖婚式、子羊の宴/20
  5)血統復帰儀礼の拡張:統一教会信者の祝福結婚式/24
  6)祝福結婚式の過程と構造/28
  7)統一教会信者の生活と性的アイデンティティ/32
3.アイデンティティの大衆化/37
  1)血統復帰の拡張/37
  2)血統復帰儀礼の日常化:衆生式、復活式、永生式を通じた血統復帰/38
4.宗教を超えたアイデンティティ/43
  1)世界平和統一家庭連合の登場/43
  2)信念体系の確定:<8代教材教本と究極の真理/49
  3)創教者の使命完遂と人類解放日の宣布:基元節宣布/51
5. 創教者のカリスマ伝授の試みと反発/57
  1)文顕進の登場:カリスマ伝授の初の試み/58
  2)1世代の反発:世界基督教統一神霊協会の分裂開始/68
  3)文国進の登場と分裂の可視化/84
  4)文亨進の登場とアイデンティティの歪曲/97
6.カリスマ伝授の失敗:文顕進の追放過程/107
7.統一教の極限分裂とカリスマの没落/155
  1)分裂の内幕:2009年4月~2010年6月/156
  2)罠にかかった文顕進/165
  3)創教者の宣言文とカリスマの没落/167
  4)分裂の内幕:2010.6月~2012.8月/179
8.統一教の創教者が他界する/205
9.韓鶴子の変心/217
  1)教理の変更/217
   ①『天聖経』変更/219
   ②<家庭盟誓>変更/222
   ③『文鮮明先生御言葉集』内容削除した後、再配布/225
   2)文国進と文亨進の追放/230
10.韓鶴子の神格化の試み:神様の婦人から独生女へ/239
  1)韓鶴子の不順従/245
  2)神格化の最初の作業:神様婦人論/252
  3)神格化の二番目の作業:独生女論/262
  4)独生女論の教理化:『真の父母経』/274
  5)韓鶴子の現状分析(2012.9~現在)/277
   ①韓鶴子の自意識の変化/278
   ②韓鶴子のカリスマ/282
   ③韓鶴子の関心/283
  6)韓鶴子の現状の小結論/286
11.文亨進の最近の現状/291
  1)文亨進の説教/292
  2)文亨進の自意識/296
  3)創教者 崇拝/301
  4)韓鶴子への公開非難/303
12.文顕進の最近の現状/311
結び/317
参考文献/325
エピローグ/341