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統一教の分裂

統一教会に一体何が起こっているのか? 著者は、統一教会分裂の現象を長年に亘って観察し、歴史的研究方法によって研究してきた。この本は、膨大な統一教会の一次資料に基づき、統一教会分裂の原因から過程、結果を詳細に記述し、統一教会の未来を見ている。

6章 カリスマ伝授の失敗: 文顯進追放過程-2

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6章 カリスマ伝授の失敗: 文顯進追放過程-2

6. カリスマ伝授の失敗: 文顯進追放過程-2


誰かが創教者の血統を疑っているという言及は、統一教会の分裂の原因を理解するのに重要な手がかりになる。創教者の血統は、統一教会の信仰の根本であり、創教者のアイデンティティ自体である。それを疑うということは、創教者のアイデンティティと統一教会の信仰を否定するという意味と同じである。20082月に創教者にこの話をすることができる人は唯一人、韓鶴子しかいない。そして、このような推測は文亨進の言及[1]と韓鶴子の言及[2]でも確認される。

2008.3.17. 文孝進他界[3]

2008.3.23. 文顯進、創教者宛に書信発送

とんでもない内容をめぐって兄弟たちが同調し、父母様さえ心が動揺され、ある時はそれをお認めになるような感じを受けた時、複雑な心を禁じ得ませんでした。しかし、父母様、私に対し心配されなくてもよろしいです。如何なる困難と誹謗が私の将来を妨げるとしても、神様のみ旨と真の父母様の為の私の覚悟と歩みは続くでしょう。…ワシントンタイムズは最も尊いメディア資産であると同時に世界摂理を支援する重要な戦略事業として説明され、2008年活動計画を説明する時は「私は米国において昨年と同じくメディア、ACLCAFCなどの三大分野を中心として巨大な米国を動かして国連と中東、そして世界にまで影響を及ぼすことができる基盤をバランスよく発展させていきます。特に昨年、新しく改編したACLCAFCの全国的基盤を迅速に活性化させていくことに多くの関心と支援を注ぐつもりです。この基盤を土台に、私たちの訓読家庭教会活動、メディア基盤、ビジネス産業、そして南北米連合活動など、全ての摂理事業が伸びていくことでしょう[4]

文顯進は父に送る手紙で、創教者夫婦と兄弟たちに対する寂しい思いを隠していない。家族の誤解と除け者扱い、公的責任を妨害する状況において文顯進は、それを辛く思っていたものと思われる。それにもい関わらず、親兄弟に対する恨みよりも、自分に与えられた責任を果たすと誓っている。

2008.4.6. ハワイ・コナのキングガーデンで創教者は「第49回真の父母の日記念敬拝式及び記念式」を主管した[5]

2008.4.11. ソウルオリンピック公園フェンシング競技場で、「神様祖国光復最後宣言大会」が1万人余りの参加の下で開かれた。この日の行事で創教者は、46日のハワイ特別行事と関連した言及をした。創教者の家庭で文顯進と文國進がカインとアベルの立場で母と一つになり、母が父である創教者と一つになるのをどれほど希望しているかが分かる。それほどまでに、当時の「真の家庭」の分裂は深刻な状態であったことが逆説的に分かるのである。

49回真の父母の日(46)には、皆さんが国家において出馬したこの期間です。勝敗が決定される瞬間を中心として、先生はカイン国連圏において、米国自体と世界どこでも水平線上にレバレンド・ムーンに侍ることのできる環境において、蕩減の条件を越えてサタンが反対することができる時代を越えました。その式をしました。それでアダム家庭で真の父母様を中心として真の息子・顯進と國進の家庭を中心として初めて、母と息子娘、カインが一つになり、門前から追い出し失ってしまった夫をどうしたのですか。門前に追い出しましたが、天の門前に臨んで、先生を中心として母と三人の息子娘が一つになって初めて、歴史時代にエバが失った母とカインとアベルを探してエデンの園から出発しながら、追い出した夫をその国に迎え侍ることができる記念行事をしたのです[6]

2008.4.1326. 文顯進、中南米6ヵ国巡回

2008.4.13. 大韓民国第18代国会議員選挙で家庭堂惨敗

2008.4.18. 文顯進、国際指導者会議(ILC)中南米巡回パナマ大会

2008.4.18. 文亨進、世界平和統一家庭連合世界会長及び韓国総会長就任[7]

2008.4.22. 文顯進、国際指導者会議(ILC)中南米巡回ブラジル大会及び名誉神学博士学位を授与される[8]

2008.4.26. 「真の父母歓迎集会」及び文顯進GPF活動報告[9]

2008.4.285.2. 文顯進、創教者と米国で国際会議主管[10]

2008.4.29. 文顯進、2008南北米国際指導者会議[11]

2008.5.2. 文亨進、ワールドカープ世界会長就任[12]

2008.5.8. ヨイドパークワン・プロジェクト危機発生(文國進根抵当設定拒否)、創教者介入で510日に劇的解決[13]


 

[1] 「一体、天使長が何をどうしたので『真のお父様は原罪を持って生まれ、真のお母様は原罪なしに生まれた』ということをお母様に信じさせたのか、私は呆れます。天正宮の壁暖炉の前で真の父母様ご夫妻と一緒に座っていたその時の会話を私は憶えています。真のお母様は真のお父様に対して、『お父様も堕落した血統ではないですか』と言われました。その言葉に余りに呆れておられる真のお父様の表情を私は見ました。とても呆れて言葉を失ったご様子でした。天使長、あなたたちはこの真実を話したがらないでしょう。これは食口が知ってはならない話でしょう。そうでしょう」2015.3.15.文亨進の説教 https://www.youtube.com/watch? v=MljXewZmIgc.

 

[2]「お父様の歴史はそうです。イエス様の顕現と共に、イエス様の仕事を承継したその時が、その瞬間がお父様の独生子の資格です。分かりますか。それを知らなければなりません。… 血統転換、私は母胎からです。皆さんはこれを信じなければなりません」 2014.7.1.韓鶴子の説教

 

[3] 2008317日に創教者の長男・文孝進が47歳を一期に他界した。319日、統一教会の葬礼儀礼である世界聖和式と原殿式が挙行された。創教者は「深天開放苑 忠孝開門主」という揮毫を下賜した。

 

[4]文顯進,『神様の夢の実現』(ソウル:アジュメディア,2011),2008323日真の父母様に送る書信」 336.

 

[5]創教者は霊界の文興進を右手で、文孝進を左手で掴み、地上の文顯進を右手で、文國進を左手で各々掴み、霊肉界の長子•次子を治める基準で入場し、創教者に大きな敬拝させ韓鶴子を抱き寄せた。これを統一教会では「世界カイン圏勝利基盤の上に母とカイン•アベル兄弟を探し立て霊肉界一体圏で本然のアダム家庭秩序を探し立てられたものである」と説明している。

 

[6] 『み言葉選集』588,33.2008.4.11.

 

[7]2008416日、創教者は「統一家で文亨進が信仰的にも全ての面で最も立派である」と語り、(https://youtu.be/gThUbXCkFMA)418日に彼を世界会長に任命した。当時、世界会長職は文顯進を行政的に主管できる上位の職責であった。「…今日、交替するこの転換の時期において、真の父母に侍るそのような場に全てを代身して侍ることができる代身者相続の権限をこれから受け継ぐこの場となっているので…」2008.4.18 創教者の世界会長任命祝祷文,『統一世界』2008.5,Vol.443,69-71.

 

[8] 文顯進は、ILC参加者300人余りの祝賀を受ける中で、南北米統合と超宗教和合を通じた平和運動に寄与した功績により、ウニハンゲラ・カトリック神学大学総長から名誉神学博士学位を授与された。彼は「ブラジルに来たのは、父親である文鮮明総裁の意志を受け継いで平和と希望のメッセージを伝えるためであり、今後、大切な同窓の品位と地位を守っていく」と述べて学位受諾演説に代えた。午後3時、ウルグアイ国会を公式訪問した文顯進は、アルリンド・チナグリア国会議長と30分間会談し、記念にブラジル法典を授与された。また、国会本会議場、ブラジル国際指導者会議「Vision for the Americas(2325)で基調講演を行い、5人の上院議員とメガチャーチリーダーを含めた6人の各界指導者に平和大使の辞令を授与した。『統一世界』2008.5,Vol.443,24-33.56-57.

 

[9] 426日、イーストガーデンで郭錠煥会長、趙晶淳南米会長、朱*文会長、マイケル・ジェンキンス協会長及び米国協会と機関企業体代表者が創教者と共に歓迎集会を持った。歓迎集会はこの日、南米巡回を終えて帰って来た文顯進をはじめとする真の子女たちの敬拝と梁昌植会長の代表祈祷の後、「真の父母」を迎えて午餐を共にした。文顯進は南米6ヵ国GPF(Global Peace Festival:地球村平和祝祭)活動について報告し、「2008年は天運が大きく下る時」と強調した。「One Family under God(神様の下の人類一家族)」の夢が摂理歴史過程を通して延長され真の父母様につながり、GPFはこの夢を実現する為の活動だと説明した。『統一世界』2008.5,Vol.443,24-51.

 

[10] 428日から52日まで、UPF主催国際指導者会議(ILC)及び2008南北米頂上会議が創教者をはじめ、ブッシュ前米国大統領とフリオ・マリア・サンギネッティ前ウルグアイ大統領など前職国家元首7人、アメリカ大陸35ヵ国の立法•司法•行政府と、宗教•社会•文化界指導者200人余りが参加して開かれた。創教者は今回の会議期間に1年前から内定してきたアベル圏分捧王として郭錠煥(韓国)、小山田秀生(日本)、朱*(米国)、カイン圏分捧王として李哲承(韓国)、ブッシュ(米国)、サンギネッティ(ウルグアイ)を任命した。彼らが一つとなってアベル国連基盤において分裂した王権を一つにして、万王の王の治理時代を準備する摂理的出発であった。『統一世界』2008.5,Vol.443,129.

 

[11] 天宙平和連合(UPF)は、428日から52日まで米国ワシントンとテキサスA&M大学ジョージ・ブッシュ前大統領記念図書館で、アメリカ大陸35ヵ国の立法、司法、行政府と宗教、社会、文化界の指導者200人余りが参加した中で、「2008南北米国際指導者大会」を開催した。今回の南北米国際指導者大会は42829日に、ワシントン近隣のシェラトン・ナショナルホテルで開かれ、30日には参席者全員がチャーター便でブッシュ前大統領記念図書館があるA&M大学に場所を移して、文鮮明UPF創設者の基調演説とブッシュ前大統領の祝辞を聞いた後、ワシントンに帰って、512日の会議を続行する方式で開かれた。文顯進は主題発表で創始者の生涯を証した後、「国籍、人種、宗教を越えて、私たちは皆、神様の同じ子女という認識を持って、米州地域全体が新しい発展方向を設定しなければならない」と述べた。『統一世界』2008.5,Vol.443,129.

 

[12] 52日、文亨進世界CARP世界会長の就任式が、300人余りの参加の下で開かれた。10年近くCARPと二世教育に情熱と精誠を注いできた文顯進展会長は離任式どころか、新任会長から功労牌一つもらえないまま、突然、追い出される立場になった。2人の弟は時を合わせて創教者と文顯進会長が米国行事の間隙に乗じて就任式を強行した。その後、CARPは統一教会信仰運動次元に帰属され、それまで構築してきた体系的プログラムも全て解体されてしまった。

 

[13] 200858日、維持財団がサインして根抵当問題を解決しなければならなかったが、文國進理事長は最後まで捺印しなかったという。これにより、致命的な事業イメージの損傷と債権銀行団による訴訟提起の可能性が出た。当日を越して報告を受けた創教者は、電話で文國進理事長に激怒し叱責したという。慌てた韓鶴子と文亨進の説得によって、510日頃、ようやく劇的妥結が成されたが、文國進の妨害は続いた。

 

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プロフィール

HN:
JUN
性別:
女性
自己紹介:
「統一教の分裂」を読んで衝撃を受けた6500双の在韓日本婦人です。一人でも多くの日本人に読んで欲しいと思い、翻訳してブログに発表していくことにしました。

「統一教の分裂」目次

序文
1.特異な現象/1
2.統一教のアイデンティティ形成/5
  1)血統復帰の神話/7
  2)教理の形成:原理原本/11
  3)組織、教理、儀礼の体系化/14
  4)血統復帰儀礼の原型:創教者の聖婚式、子羊の宴/20
  5)血統復帰儀礼の拡張:統一教会信者の祝福結婚式/24
  6)祝福結婚式の過程と構造/28
  7)統一教会信者の生活と性的アイデンティティ/32
3.アイデンティティの大衆化/37
  1)血統復帰の拡張/37
  2)血統復帰儀礼の日常化:衆生式、復活式、永生式を通じた血統復帰/38
4.宗教を超えたアイデンティティ/43
  1)世界平和統一家庭連合の登場/43
  2)信念体系の確定:<8代教材教本と究極の真理/49
  3)創教者の使命完遂と人類解放日の宣布:基元節宣布/51
5. 創教者のカリスマ伝授の試みと反発/57
  1)文顕進の登場:カリスマ伝授の初の試み/58
  2)1世代の反発:世界基督教統一神霊協会の分裂開始/68
  3)文国進の登場と分裂の可視化/84
  4)文亨進の登場とアイデンティティの歪曲/97
6.カリスマ伝授の失敗:文顕進の追放過程/107
7.統一教の極限分裂とカリスマの没落/155
  1)分裂の内幕:2009年4月~2010年6月/156
  2)罠にかかった文顕進/165
  3)創教者の宣言文とカリスマの没落/167
  4)分裂の内幕:2010.6月~2012.8月/179
8.統一教の創教者が他界する/205
9.韓鶴子の変心/217
  1)教理の変更/217
   ①『天聖経』変更/219
   ②<家庭盟誓>変更/222
   ③『文鮮明先生御言葉集』内容削除した後、再配布/225
   2)文国進と文亨進の追放/230
10.韓鶴子の神格化の試み:神様の婦人から独生女へ/239
  1)韓鶴子の不順従/245
  2)神格化の最初の作業:神様婦人論/252
  3)神格化の二番目の作業:独生女論/262
  4)独生女論の教理化:『真の父母経』/274
  5)韓鶴子の現状分析(2012.9~現在)/277
   ①韓鶴子の自意識の変化/278
   ②韓鶴子のカリスマ/282
   ③韓鶴子の関心/283
  6)韓鶴子の現状の小結論/286
11.文亨進の最近の現状/291
  1)文亨進の説教/292
  2)文亨進の自意識/296
  3)創教者 崇拝/301
  4)韓鶴子への公開非難/303
12.文顕進の最近の現状/311
結び/317
参考文献/325
エピローグ/341