統一教会に一体何が起こっているのか? 著者は、統一教会分裂の現象を長年に亘って観察し、歴史的研究方法によって研究してきた。この本は、膨大な統一教会の一次資料に基づき、統一教会分裂の原因から過程、結果を詳細に記述し、統一教会の未来を見ている。
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4)分裂の内幕(2010.6月〜2012.8月)‐1
文顯進は、誰が何と言っても創教者が指示したGPF活動を自身の使命として知り、続けた。2008年10月24日、マレーシアGPFを終えた文顯進に対し、「顯進がイスラムの扉を開いた」と創教者は喜び、日本GPFを終えて戻った時にはパンフレットに「顯進王」と称号を下しただけでなく[1]、2008年12月26日、教会には絶対概念はないが、GPF活動には絶対概念があるとして、文顯進の活動を支持した[2]。
文顯進のGPF活動を通して、彼が統一教会の創教者・文鮮明師の息子であるという事実を知らない者はいなかった。実際に彼は、創教者の夢は神様の夢であるとし、その夢はまさに自分の夢でもあり、人類の夢であるという確信を持ち、行く先々でその夢の証し人となって人々を参加させた[3]。しかし、2009年3月、束草事件をきっかけに創教者は文顯進のGPF活動を禁止した。さらに、2011年5月、宣布文を公開し、「宣布文実行委員会」という組織を作って全世界の統一教会人に対して組織的に文顯進を非難した。創教者の夢を成そうとした文顯進のGPF活動は逆謀と変わらない破倫的活動であるという烙印が押された。文顯進は、GPF活動を禁止する創教者の指示は正常な状況での指示ではないと考えていたようである。文顯進は父の夢を諦めろという父の現在の命令よりも、夢を成せと言った父の過去の命令に服従した。天道を成すために、妻子を捨てた創教者の歩みのように、文顯進は父の夢、神様の夢、人類の夢を叶えるために目前の非難を受ける道を選択したものと見られる[4]。
統一教会は創教者の宣布文を立てて、堕落したアダム、服従しない破倫児、財産を盗んだ息子として文顯進を非難する中、文顯進が主管してきたGPF活動を妨害し、UCIを奪うための訴訟を進めた。GPFを妨害した代表的な事件は、2009年5月から現地の弁護士フレンシスコ・サボリオを通して南米における文顯進の公的活動を妨害した事件[5]、2009年8月頃、日本からUCIに送られる資金を中断させ、ワシントン・タイムズなどを破産させようとした事件[6]、2009年12月10日、フィリピンGPC[7]をヨン**が妨害した事件[8]、2010年10月17日、インドネシアGPFを妨害した事件[9]、2011年10月19日、ブラジルGPF[10]を妨害した事件[11]、2012年6月2日、日本GPLCを妨害した事件[12]などがあった。それだけでなく、統一教会が行った文顯進に対する告訴告発は、2012年に創教者が他界する直前まで続いた。
[1] 『史報』第188号(2009.春)80-81頁.
[2] 「アベル国連を作るにはですよ。教会も100の教会があれば100の教会が全てが違うではないですか。だめです。絶対概念がありません。永遠・不変という概念がないのです。GPFは絶対概念です。永遠を中心に変わらないのです。公式的な基盤の上で「ワン・ファミリー・アンダー・ゴッド」だというのです。小さいですがそこに世界が全て包括されます。国家もその公式を拡大したものであり、世界も、天地もそうなのです。家庭が祝福されて自分が生活することが一元化されるように、その国に所属したものは一体がその原則、子供を生まなければならず、発展させなければならないという原則を中心に守っていかなければならなりません」『み言選集』604巻14頁,2008.12.1.
[3] 2008.12.8.国際指導者会議(ILC)ブラジル開会式での文顯進の演説:文顯進,『神様の夢の実現』序文.
[4] 2009.11.1.UPF指導者及び平和大使に送る文顯進の公開書信.;2011.11.27.世界祝福中心家庭に送る文顯進の公開書信;2012.9.14.文顯進の公開書信「文鮮明総裁聖和に際して」
[5] 20113月.ラウル・アグラナ元プエルト・カサド市長とフランシスコ・ディック・プロティエラグループ代表の共同宣言文
[6] 2010.7.16.世界統一家の食口に送るUCI声明:キース・クーパーライダー・ニュースワールド財務担当者がPKに送ったメール
[7] フィリピン第1回GPC(Global Peace Convention)開催「地球村の各地域社会で継続的なGPF精神を実践してきた指導者らが集まり、2010年に大陸別連帯活動を準備する第1回GPCが、2009年12月10日から14日まで『平和定着2010:超宗教、家庭、奉仕』というテーマでフィリピン・マニラで開催された。28ヵ国、500人余りの著名な世界指導者が出席した開会式の基調演説で、文顯進議長は、世界平和のために一生を捧げた自身の父親である文鮮明師の歩みを見ながら、本人もその志を実現するために生きることを決意したことを明らかにした。そして閉会式で文顯進会長は、平和のビジョンを持って参加した全ての方と、2008年GPF以降、変わらない努力を見せてくれたフィリピン組織委員会に感謝し、『全ては神様の役事があったお陰で可能であったと信じ、神様がこの世界の主人となられ、GPFは世界を巻き込む摂理的な霊的運動』だという確信を明らかにした」
[8] *國*は、ヨン*シク(アジア大陸会長)を通して大会阻止に乗り出し、アマラ(アジア宣教師)が反対巡回集会を開催して妨害したが、志ある人士が文顯進の大会に大挙参加した。
[9] Oct. 18, 2010. Report from Kittel, To Rev. Hyung * Nim, Dr. * Jin Nim, Mr. Peter Kim, Dr. Yo*, Dr. W*, Taj, La* M.: Intervention: Sending Dr. T* Hamad here was the best strategy. Absolutely! He has been to Indonesia nearly 50 times and knows people personally and over a long time. Also because of his Islamic roots, there is an immediate trust (which also comes from his own personality). Appointments with very busy, high-level people were easily made.
[10] 「2011年10月19日から21日まで、南米全域から7人の元大統領が参加し、ブラジルと南米の多くの国会議員が出席してGPLCが開催された。今回の大会に特別参加し志を共にした前大統領は、グアテマラのマルコ・セレジョ(Marco Vinico Cerezo)、パナマのエルネスト・バラダレス(Ernesto Perez Balladares)、パラグアイのフアン・ワシモシ(Juan Carlos Wasmosy)とラウル・キューバス・クラウ(Raul Cubas Grau)、ウルグアイのルイス・ラカレ(Luis Alberto Lacalle)、ボリビアのハイメ・パス・ザモラ(Jaime Paz Zamora)、そしてエクアドルのグスタボ・ノボア・ベハラノ(Gustavo Noboa Bejarano)らである。10月20日、GPFF代表と5人の元大統領で構成されたGPLC代表団がミシェル・テメル(Dr. Michel Temer)ブラジル副大統領を礼訪した。彼は、大統領が外遊中の関係上、実質的に国家を代表する立場でGPLC代表団を迎えた。副大統領はGPFFと文顯進会長の業績を高く評価し、今後、ブラジルの首都でGPF活動を支援するとし、約1時間ほど元大統領と地域統合の実質的な必要性などについて意見を交換した」
[11] 「ペラボリ協会長は文顯進相手の刑事訴訟で、*國*が10億ウォン余りを送金支援して投入し、国際召喚状まで発行して罠をしかけていた。文顯進会長は出国直前に出席をキャンセルしビデオメッセージを伝え、GPFF創設者に対するブラジル国会感謝牌受賞と150ヵ国中継国会演説は、金榮俊GPFF世界会長が代身した」
[12] 6月2日に開催される日本GPLC会場である東京国際ホテルの品川Bホテル関係者の事務室を、統一教会渉外部長ら2人が訪ね、GPLCは統一教会の大会であり、この大会を許可すると騒ぎが起こると脅迫した。ホテル側はこの事実を警察とGPLCに通報し、渉外部長が残していった陳情書が公開された。「陳情書…上記P団体の代表者は、統一教会信者でありながらも、現在は教会の指導に従わず独自の活動をしているメンバーです。当然、当法人は、上記集会に関与していません。貴ホテルにおいて、社団法人P団体の大会が統一教会の指導に従わず独自的な行動をする集団によって行われていることを知らず、今回、場所を貸されたものと思われます。当法人としては、このような独自的な活動が終焉するように、このための迅速な解決を願い努力しています。しかし、一昨年ブラジルで上記教会の指導に従わないメンバーによる行動によって、教会のメンバー間で暴力的な問題が起こり、当法人としては非常に心を痛めてきました…」